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【書評】「持たざる国」への道 - 「あの戦争」と大日本帝国の破綻

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内容(「BOOK」データベースより)
なぜ日本は世界を敵に回す戦争を起こしたのか?今の日本人は、その意味を正しく捉えられているか?わかりやすい「欺瞞的な説明」を排し、軍事面や外交面にとどまらず、政府や日銀の政策を軸に「あの戦争」を再考。財務出身官僚が、新たな視点で描く戦前日本の「失敗の本質」。

 

1930年代から1945年まで、血なまぐさい時代が日本を覆いました。最終的にはタコ殴りにされ敗戦したわけですが、「なぜ日本は戦争を起こしたのか?」と聞かれると、うまく回答できない人が多いでしょう。

本書は、その理由を、財政や経済の側面から説明することを試みた、大変興味深い一冊です。

とても丁寧で緻密な議論が展開されているので、私がいちいち解説することははばかられるのですが、一つ紹介するなら、日本が戦争を始めた経済的要因は欧米列強によるブロック経済ではなく、経済合理性を理解しない日本軍部による円元パー政策という頭パーな政策によるものだという指摘でしょうか。

もちろん戦争に引きずり込まれた原因は、財政や経済面以外の要因も多々あったわけなので、すべての原因をここに求めるわけにはいかないものの、見逃されがちだった経済政策や財政政策における日本政府および軍部の失敗というファクターに光を当てた本書の功績はとても大きいと私は思います。

なお、著者の松元崇氏は、大変聡明な方だという話をあちこちから聞きます。
こういう人が国家の中枢で長年働く国は、今後いかに大変な目にあったとしても、必ず復活すると思います。

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